病院で家族が亡くなったら費用はどのくらい?知っておきたい対応の流れ
病院で発生する医療費
病院で亡くなった場合、死亡確認までの医療費や入院費用が請求されます。これには以下のような項目が含まれることがあります:
- 入院費用: 最終日の病室利用料
- 治療費: 死亡に至るまでの治療にかかった費用
- 薬剤費: 処方された薬の代金
- 霊安室の利用料: 遺体を一時的に霊安室に安置した場合の料金
多くの病院では、退院手続きと同時にこれらの費用を精算します。事前に入院保証金を支払っている場合、その金額が差し引かれることもあります。病院の会計窓口で具体的な内訳を確認し、不明点はその場で質問するようにしましょう。
遺体搬送費用
遺体を病院から自宅や葬儀場に移動するための搬送費用が発生します。搬送には専用の寝台車が必要で、距離によって料金が異なります。一般的な費用の目安は以下の通りです:
- 病院から自宅への搬送: 数千円から数万円程度
- 病院から霊安室や葬儀場への搬送: 距離に応じて変動(10kmごとに加算される場合あり)
事前に葬儀社を選定している場合、搬送の手配がスムーズに進みますが、急な場合には病院が提携する業者を紹介してくれることがあります。
エンゼルケアやその他の付随費用
病院では、故人を整える「エンゼルケア」が行われることがあり、このサービスには費用がかかる場合があります。一般的な内容と費用の目安は以下の通りです:
- 清拭(体を拭くこと): 数千円
- 死化粧や衣服の着替え: 数千円から1万円程度
また、病院によっては「お布施」などの名称で料金がかかるケースもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
費用負担を軽減する方法
- 葬儀保険や互助会制度を利用することで、搬送費や葬儀費用の一部を補助することが可能です。
- 福祉制度: 自治体によっては低所得者向けの補助金が利用できる場合があります。
- 分割払い: 費用が高額になる場合、病院や葬儀社に相談することで分割払いが可能な場合もあります。
亡くなった直後は心の整理がつかないこともありますが、費用に関しては落ち着いて確認し、後から疑問が出た場合でも相談できるようにレシートや明細を必ず保管しておきましょう。
知らないと損する!葬儀手配で実際に起きた辛い体験談と改善策
葬式準備には事前の知識や計画が欠かせません。情報源を活用して正確な情報を得て、家族葬や一般葬の違いを理解した上で、費用や準備の流れを把握しましょう。こうした事前準備をしっかり行うことで、不安を軽減し、故人を心を込めて送り出すことができます。
お客様の体験談:斎場を選んだはずが…
東京都内に住むAさんは、突然のご家族の訃報に接し、急いで葬儀の準備を進める必要がありました。故人が町屋斎場を希望していたため、直接斎場に連絡をしたところ、そこで斎場を運営する会社が紹介する葬儀社を勧められました。
斎場の予約がすぐに埋まるとの説明を受けたAさんは焦り、紹介された葬儀社にそのまま手配を依頼することに。ところが、実際の打ち合わせでは、「このオプションを付けないと良い葬儀になりません」「他の方もこうしています」と次々に高額な追加オプションを勧められ、最終的な費用は当初の見積もりより大幅に増加してしまいました。
葬儀を無事終えた後、冷静になって他の葬儀社と料金を比較してみたAさんは驚きました。他社で同じ内容の葬儀を行えば、数十万円も安く済んでいたことがわかったのです。「急いでいたから言いなりになってしまった」「他社とも比較しておけばよかった」と後悔の念が募りました。
なぜこのようなトラブルが起きるのか?
- 斎場と葬儀社が一体化している
特定の斎場を利用するには、運営会社が指定する葬儀社を使わざるを得ないと誤解されるケースが多い。 - 時間的余裕がない
急いで手配するため、冷静に他社と比較する時間が取れず、その場で提案されたプランに納得してしまう。 - 料金が不透明
「基本プラン」の説明だけでなく、後から追加されるオプションの価格が高額になるケースが多い。
こんなトラブルを防ぐための改善策
- 複数の葬儀社を比較する 葬儀の依頼先は、一社に限定する必要はありません。斎場を利用する場合でも、外部の葬儀社を利用できることを確認しましょう。見積もりを複数取得し、内容や費用をしっかり比較することが大切です。
- 事前相談を活用する 時間に余裕がある場合は、事前相談を行いましょう。どのようなプランがあるのか、費用感を把握するだけでも安心感が増します。事前に葬儀の希望を明確にしておくと、急な手配の際も冷静に対応できます。
- 見積もりの詳細を確認する 基本料金とオプション料金を明確に分けて記載してもらい、納得できない場合は遠慮せずに質問する姿勢が重要です。また、「本当に必要か」を自分たちで冷静に判断することもポイントです。
- 斎場の利用条件を事前に確認する 特定の葬儀社以外も斎場を利用できる場合があるため、斎場の運営会社や管理者に直接確認しましょう。また、直接的な圧力を感じた場合は、第三者機関に相談することも検討しましょう。
- 葬儀後に口コミを共有する 自身の体験をインターネット上のレビューや口コミサイトに投稿することで、同じような状況にある人がトラブルを回避するための参考になります。
最後に
葬儀は決して安い買い物ではありません。そして、一度きりの儀式だからこそ、納得のいく形で送りたいものです。焦らず、落ち着いて選択肢を検討し、後悔のない決断をすることが大切です。
もしもの時のために、今から信頼できる葬儀社や斎場を調べておくのも良いでしょう。心に余裕があると、いざという時の判断も変わります。