エンゼルケアの看護手順とは?押さえておきたい流れと注意点
エンゼルケア(死後のケア)は、患者さんの尊厳を守り、遺族が安心して最後のお別れができるよう整える重要な看護ケアです。以下に、エンゼルケアの具体的な手順と注意点を解説します。
エンゼルケアの目的
- ご遺体の尊厳を保つ
清潔で安らかな姿を整えることで、ご遺体を尊重します。 - 遺族の心理的ケア
故人との最後のお別れを遺族が穏やかに迎えられるようサポートします。 - ご遺体の状態維持
ご遺体を適切に整え、搬送や安置先での変化を最小限に抑える準備を行います。
エンゼルケアの手順
環境を整える
- プライバシーを確保
- カーテンやパーテーションで仕切り、落ち着いた環境を作ります。
- 必要物品の準備
- 清拭用タオル、お湯、死化粧用道具(化粧品、櫛など)、清潔な衣服、ドライアイス、包帯など。
2. ご遺体の確認
- 心停止の確認
- 呼吸、心拍、瞳孔反射の消失を医師が確認した後、看護師がエンゼルケアを開始します。
- 医療器具の取り外し
- 点滴、尿管、ドレーンなどの医療器具を取り外し、挿入部位を清潔に処置します。
3. ご遺体を清潔にする
- 清拭(せいしき)の実施
- 温かいタオルでご遺体の顔、手足、身体全体を優しく拭きます。汚れが目立つ部位を丁寧に清拭します。
- 必要に応じて消毒液で清潔を保ちます。
- 髪を整える
- 櫛で髪を整え、清潔感のある印象を与えるようにします。
4. 衣服の着替え
- 衣服を着替えさせる
- 清潔な病衣または持参された衣服に着替えさせます。
- 衣服を整える際は、関節を無理に動かさず慎重に行います。
5. ご遺体を整える
- 死化粧(しにげしょう)の実施
- 必要に応じて唇や頬に色をのせ、自然な表情を保つようにします。
- 目や口を閉じる
- 目が開いている場合は優しく閉じ、口が開いている場合は顎を固定して閉じます(包帯や顎バンドを使用)。
6. ご遺体の保冷
- ドライアイスの使用
- ご遺体の腐敗を防ぐため、ドライアイスを適切に使用します(腹部や関節部分など)。
- 必要な場合は包帯で固定
- ドライアイスを安定させるため、包帯で軽く固定します。
7. ご遺体の安置
- 安置場所へ移動
- ご遺体を霊安室や自宅安置用のベッドに移動します。遺族が希望する場所を確認します。
- 寝具を整える
- 布団やシーツをきれいに掛け、安らかな印象を整えます。
8. 遺族への対応
- ご遺族にお顔を見ていただく
- 遺族に対し、「お顔を拭いて清潔にしました」「どうぞご覧ください」とお伝えします。
- ご遺族の感情に寄り添う
- 遺族が悲しみを吐露する場面では無理に話を進めず、共感の姿勢で接します。
注意点
患者さんの尊厳を守る
- 作業ではなく、「故人を敬う行動」として実施します。ご遺体に対しても優しく声を掛けながら進めます。
- 例:「これからお顔を拭きますね」「きれいに整えますので、少しお待ちください。」
遺族の希望を優先
- 衣服や安置場所など、遺族の要望に耳を傾けて対応します。
冷静で慎重な行動
- ご遺体の皮膚や関節は壊れやすくなっているため、丁寧に扱います。
まとめ
エンゼルケアは、看護師がご遺体と向き合い、遺族の心に寄り添う重要なケアです。手順をしっかり守りつつ、尊厳と優しさを持って対応することで、故人を敬う心が伝わり、遺族に安心感を与えることができます。
知らないと損する!葬儀手配で実際に起きた辛い体験談と改善策
葬式準備には事前の知識や計画が欠かせません。情報源を活用して正確な情報を得て、家族葬や一般葬の違いを理解した上で、費用や準備の流れを把握しましょう。こうした事前準備をしっかり行うことで、不安を軽減し、故人を心を込めて送り出すことができます。
お客様の体験談:斎場を選んだはずが…
東京都内に住むAさんは、突然のご家族の訃報に接し、急いで葬儀の準備を進める必要がありました。故人が町屋斎場を希望していたため、直接斎場に連絡をしたところ、そこで斎場を運営する会社が紹介する葬儀社を勧められました。
斎場の予約がすぐに埋まるとの説明を受けたAさんは焦り、紹介された葬儀社にそのまま手配を依頼することに。ところが、実際の打ち合わせでは、「このオプションを付けないと良い葬儀になりません」「他の方もこうしています」と次々に高額な追加オプションを勧められ、最終的な費用は当初の見積もりより大幅に増加してしまいました。
葬儀を無事終えた後、冷静になって他の葬儀社と料金を比較してみたAさんは驚きました。他社で同じ内容の葬儀を行えば、数十万円も安く済んでいたことがわかったのです。「急いでいたから言いなりになってしまった」「他社とも比較しておけばよかった」と後悔の念が募りました。
なぜこのようなトラブルが起きるのか?
- 斎場と葬儀社が一体化している
特定の斎場を利用するには、運営会社が指定する葬儀社を使わざるを得ないと誤解されるケースが多い。 - 時間的余裕がない
急いで手配するため、冷静に他社と比較する時間が取れず、その場で提案されたプランに納得してしまう。 - 料金が不透明
「基本プラン」の説明だけでなく、後から追加されるオプションの価格が高額になるケースが多い。
こんなトラブルを防ぐための改善策
- 複数の葬儀社を比較する 葬儀の依頼先は、一社に限定する必要はありません。斎場を利用する場合でも、外部の葬儀社を利用できることを確認しましょう。見積もりを複数取得し、内容や費用をしっかり比較することが大切です。
- 事前相談を活用する 時間に余裕がある場合は、事前相談を行いましょう。どのようなプランがあるのか、費用感を把握するだけでも安心感が増します。事前に葬儀の希望を明確にしておくと、急な手配の際も冷静に対応できます。
- 見積もりの詳細を確認する 基本料金とオプション料金を明確に分けて記載してもらい、納得できない場合は遠慮せずに質問する姿勢が重要です。また、「本当に必要か」を自分たちで冷静に判断することもポイントです。
- 斎場の利用条件を事前に確認する 特定の葬儀社以外も斎場を利用できる場合があるため、斎場の運営会社や管理者に直接確認しましょう。また、直接的な圧力を感じた場合は、第三者機関に相談することも検討しましょう。
- 葬儀後に口コミを共有する 自身の体験をインターネット上のレビューや口コミサイトに投稿することで、同じような状況にある人がトラブルを回避するための参考になります。
最後に
葬儀は決して安い買い物ではありません。そして、一度きりの儀式だからこそ、納得のいく形で送りたいものです。焦らず、落ち着いて選択肢を検討し、後悔のない決断をすることが大切です。
もしもの時のために、今から信頼できる葬儀社や斎場を調べておくのも良いでしょう。心に余裕があると、いざという時の判断も変わります。