死亡時の看護記録の書き方とは?押さえておくべきポイントを解説
患者さんが亡くなられた際、看護記録に正確かつ簡潔に状況を記録することが求められます。死亡時の記録では、事実に基づいた記述と、医療者間の共有を意識した具体的な情報が重要です。以下に、死亡時の看護記録の書き方のポイントを解説します。
記録に含めるべき項目
死亡時の看護記録には、以下の情報を具体的に含めます。
1-1. 死亡確認の事実
- 死亡確認日時:何時に死亡が確認されたか、具体的な時刻を記録します。
- 例:「2025年1月28日 〇時〇分 医師により死亡確認。」
- 死亡診断の確認:誰が死亡診断を行ったか(医師の氏名や役職など)を記載します。
- 例:「〇〇医師が呼吸停止、心拍停止を確認し死亡診断。」
1-2. 患者さんの状態
- 確認時の身体状態:死亡確認時の具体的な身体状態を記録します。
- 例:「呼吸停止、心拍停止、瞳孔散大、対光反射なし。」
- 医療機器の状況:使用中の医療機器(モニター、点滴、酸素など)の状態や取り外し状況を記載します。
- 例:「モニターにて心電図直線を確認、酸素投与を中止。点滴ラインをクランプ後、抜去。」
1-3. エンゼルケア(死後の処置)
- エンゼルケアの実施内容:ご遺体を整える処置の内容を記載します。
- 例:
- 「清拭を行い、衣服を整える。」
- 「点滴ライン、尿カテーテルを抜去後、固定テープ除去。」
- 「お顔を整え、布団を掛ける。」
- 例:
- 実施したスタッフ名:看護師や助手など、エンゼルケアを行ったスタッフ名を記録します。
- 例:「〇〇看護師、〇〇助手にてエンゼルケアを実施。」
1-4. 遺族対応
- 遺族への連絡状況:遺族への連絡内容や到着予定時間を記録します。
- 例:「〇時〇分、長男〇〇様に死亡の連絡。『〇時頃に到着予定』との回答。」
- 遺族到着時の対応:遺族が到着した際の状況や対応内容を記載します。
- 例:「〇〇様(遺族)が〇時〇分に到着。お顔を見ていただき、手を合わせる場面あり。」
1-5. 医師や他職種との連携
- 医師への報告:医師に死亡確認後の状況を報告した内容。
- 例:「〇〇医師へ死亡確認後の状態を報告。」
- 葬儀社やソーシャルワーカーへの連絡:必要に応じて、関連職種への連絡状況を記載します。
- 例:「〇〇葬儀社へ遺体搬送を依頼。」
看護記録の具体例
以下は、看護記録の例文です。
例文
死亡確認後の記録
- 「2025年1月28日 02時15分、〇〇医師により死亡確認。呼吸停止、心拍停止、瞳孔散大、対光反射なし。心電図にて心停止を確認。」
エンゼルケアの記録
- 「02時30分、〇〇看護師、〇〇助手にてエンゼルケア実施。清拭を行い、衣服を整える。点滴ライン、尿カテーテルを抜去し、固定テープ除去。ご遺体の顔を整え、布団を掛ける。」
遺族対応の記録
- 「02時45分、〇〇様(長男)へ死亡の連絡。『03時30分に到着予定』との回答。」
- 「03時35分、〇〇様(遺族)が到着。お顔を見ていただき、声掛けを行う。『顔が穏やかでよかった』との発言あり。」
医療チームとの連携
- 「死亡確認後、〇〇医師へ状態を報告。〇〇葬儀社に連絡し、搬送を依頼。」
記録時の注意点
- 事実を簡潔に記載する
主観的な表現を避け、観察した事実を客観的に記録します。- ×:「悲しそうな表情をしていた」
- ○:「涙を流しながら、故人の手を握っていた」
- タイムラインを明確にする
時間を明記し、どのような順序で対応したかをわかりやすく記録します。 - 感情に配慮した記述
遺族の感情に寄り添った対応や発言を、記録に反映します。 - 略語は使用しない
誰が見てもわかるよう、略語ではなく正式な表現で記載します。
- 冷静かつ柔らかい言葉遣い
「亡くなられました」など、丁寧な表現を心掛けます。 - 尊厳を守る行動
遺族が対面した際に安心できるよう、ご遺体を整えます。 - 寄り添いながら進める
遺族のペースを尊重し、急かさない対応を徹底します。
まとめ
死亡時の看護記録は、医療チーム内の情報共有や後の振り返りに重要な役割を果たします。事実を正確かつ簡潔に記載し、患者さんの尊厳を守るための行動や遺族への配慮を記録に残すことが大切です。
知らないと損する!葬儀手配で実際に起きた辛い体験談と改善策
葬式準備には事前の知識や計画が欠かせません。情報源を活用して正確な情報を得て、家族葬や一般葬の違いを理解した上で、費用や準備の流れを把握しましょう。こうした事前準備をしっかり行うことで、不安を軽減し、故人を心を込めて送り出すことができます。
お客様の体験談:斎場を選んだはずが…
東京都内に住むAさんは、突然のご家族の訃報に接し、急いで葬儀の準備を進める必要がありました。故人が町屋斎場を希望していたため、直接斎場に連絡をしたところ、そこで斎場を運営する会社が紹介する葬儀社を勧められました。
斎場の予約がすぐに埋まるとの説明を受けたAさんは焦り、紹介された葬儀社にそのまま手配を依頼することに。ところが、実際の打ち合わせでは、「このオプションを付けないと良い葬儀になりません」「他の方もこうしています」と次々に高額な追加オプションを勧められ、最終的な費用は当初の見積もりより大幅に増加してしまいました。
葬儀を無事終えた後、冷静になって他の葬儀社と料金を比較してみたAさんは驚きました。他社で同じ内容の葬儀を行えば、数十万円も安く済んでいたことがわかったのです。「急いでいたから言いなりになってしまった」「他社とも比較しておけばよかった」と後悔の念が募りました。
なぜこのようなトラブルが起きるのか?
- 斎場と葬儀社が一体化している
特定の斎場を利用するには、運営会社が指定する葬儀社を使わざるを得ないと誤解されるケースが多い。 - 時間的余裕がない
急いで手配するため、冷静に他社と比較する時間が取れず、その場で提案されたプランに納得してしまう。 - 料金が不透明
「基本プラン」の説明だけでなく、後から追加されるオプションの価格が高額になるケースが多い。
こんなトラブルを防ぐための改善策
- 複数の葬儀社を比較する 葬儀の依頼先は、一社に限定する必要はありません。斎場を利用する場合でも、外部の葬儀社を利用できることを確認しましょう。見積もりを複数取得し、内容や費用をしっかり比較することが大切です。
- 事前相談を活用する 時間に余裕がある場合は、事前相談を行いましょう。どのようなプランがあるのか、費用感を把握するだけでも安心感が増します。事前に葬儀の希望を明確にしておくと、急な手配の際も冷静に対応できます。
- 見積もりの詳細を確認する 基本料金とオプション料金を明確に分けて記載してもらい、納得できない場合は遠慮せずに質問する姿勢が重要です。また、「本当に必要か」を自分たちで冷静に判断することもポイントです。
- 斎場の利用条件を事前に確認する 特定の葬儀社以外も斎場を利用できる場合があるため、斎場の運営会社や管理者に直接確認しましょう。また、直接的な圧力を感じた場合は、第三者機関に相談することも検討しましょう。
- 葬儀後に口コミを共有する 自身の体験をインターネット上のレビューや口コミサイトに投稿することで、同じような状況にある人がトラブルを回避するための参考になります。
最後に
葬儀は決して安い買い物ではありません。そして、一度きりの儀式だからこそ、納得のいく形で送りたいものです。焦らず、落ち着いて選択肢を検討し、後悔のない決断をすることが大切です。
もしもの時のために、今から信頼できる葬儀社や斎場を調べておくのも良いでしょう。心に余裕があると、いざという時の判断も変わります。